若い女性と水夫の物語
職業訓練のカリキュラムの中で最も退屈だろうと思っていたのに、
フタを開ければ、これが一番面白かった!
今日の課題は面白かったので記しておくことにします。
まず、次の物語を読むことが前提になります。
「若い女性と水夫の物語」
嵐に遭遇し、一隻の船が沈没しました。その船に乗っていた人達の中で、運良く5人が何とか2隻の救命ボートに乗ることができました。一隻のボートには、水夫と若い女性、それに老人の3人が乗り、もう1隻のボートには、若い女性のフィアンセとその親友の2人が乗り合わせました。悪天候の下、波に揺られる間に、2隻のボートは別れ別れになってしまいました。
彼女の乗っていた1隻はある島に流れ着きました。フィアンセと離れ離れになった彼女は、フィアンセが生存している手がかりを何とかしてつかもうと、1日中、もう1隻のボートを探しましたが、何の手がかりも得ることができませんでした。翌日、天候は回復し、若い女性は、なおも諦めず、フィアンセを探し求めましたが、やはり見つけることができませんでした。
彼女はその日、海のかなた遠くに1つの島影を発見しました。彼女はいてもたってもいられず、フィアンセを探したい一心で、水夫に「ボートを修理して、あの島に連れて行ってくれませんか?」と頼みました。水夫は彼女の願いに応じても良いと言いましたが、1つの条件を持ち出しました。それは、「彼女と一夜を共にする」ということでした。
がっかりし、困り果てた彼女は老人に「私は困ってしまいました。どうすれば良いか、何か良い方法を教えてください。」と相談を持ちかけました。老人は「あなたにとって何が正しいのか、あるいは何が間違っているのか、私は言うことはできません。あなたの心に聞いて、それに従いなさい。」と言うのみでした。彼女は悩み苦しんだ挙句、結局、水夫の言う通りにしました。
翌朝、水夫はボートを修理して、彼女をその島に連れて行ってあげました。フィアンセの姿を見つけた彼女は、浜辺に着くや遅しと、ボートから飛び出し、駆け上がり、そこにいるフィアンセの腕に強く抱かれました。フィアンセの温かい腕の中で、彼女は昨夜のことを話そうかどうか迷いましたが、結局、思い切って打ち明けました。それを聞いたフィアンセは怒り狂い、彼女に「もう2度と顔を見たくない!」と叫びながら走り去りました。泣きながら彼女は1人浜辺に下りて行きました。
彼女を見たフィアンセの親友は彼女のところに行き、肩に手をかけ、「君たち2人が喧嘩したことは僕にもよくわかる。フィアンセに話をしてあげよう。それまでしばらくの間、私があなたの世話をしてあげよう。」と言いました。
【課題1】登場人物に関して「この人が最も正しい」と思う人を1位、
「この人が最も正しくない」と思う人を5位とし、
同一の順位がないよう、1位〜5位までの順位を付けてください。
【課題2】課題1で順位をつけた理由(なぜ、@@が1番正しいと思ったのか、
正しくないと思ったのかなど)を簡潔に記入して下さい。
【課題3】グループで話し合ってみましょう。
記入シート
登場人物 | 順位 | 理由 | グループ意見(順位) |
水夫 | 2 | 不当な条件はつけたものの選択は女性に委ねた。結果的に女性の希望通りフィアンセとの再会のために行動した。 | 4位 不当な条件をつけた。 |
若い女性 | 1 | フィアンセと再会するために出来るかぎりの行動をした。不当な条件は再会のために飲まざる得なかった。 | 5位 他の方法を考えるべき。昨夜のことは話すべきではない。 |
老人 | 5 | 若い女性の自由意志を尊重したように見えるが「自己責任」を強いた。相談を受けたにも関わらず、水夫と女性との間に入ることもなく無関係であり続けた。 | 1位 自分でもこう言う。若い女性の自由意志を尊重した。 |
フィアンセ | 4 | 怒りの矛先は水夫に向けるべき。 感情は理解できるが、正しいだろうか? | 2位 当然の怒り。再会の歓びから告白のショックのギャップに耐えられないのは仕方がない。 |
親友 | 3 | 純粋に慰めているのか下心があるのか判断できないので真ん中に置いた。 | 3位 まぁこの位置だろう。 |